情報システム業務や社内IT業務のアウトソーシング〜経営者や現場によくある懸念と課題編〜
IT化、DX化が叫ばれる中、多くの企業ではIT人材不足となり、社内ITのアウトソーシングを検討される企業も増えてきました。
今回は情報システム業務や社内ITをアウトソーシングをするうえで、企業経営者や現場IT担当者が不安や心配になる事項について、これまでの私たちが多くの経営者やIT担当の方とお話する中で感じたことについてお伝えしたいと思います。
社内ITやヘルプデスクをアウトソーシングするうえで懸念されることとして
社内にITノウハウが蓄積されなくなりそう…
情報漏洩のリスクが心配…
委託するために整理する時間がない、人材がいない…
余計にコストがかかってしまいそう…
といった声をよく耳にします。これらの懸念事項について、具体的に一つ一つ説明していきます。
社内にノウハウが蓄積されなくなりそう
社内IT業務や開発業務を外注することによって確かにノウハウが蓄積されないという声は経営者を中心に懸念されがちです。これまで社内で行っていた業務をアウトソーシングすることにこの部分でハードルがあると感じる方は多いものです。
ここで重要な視点は、情報シスや社内ITにおいては、自社で対応している中で実際にノウハウが本当に蓄積できているのか?ということを冷静に考えて検証してみましょう。
IT部門が人手不足や属人化してしまっている場合は、社内で行っていてもITへの対応記録が取れていない、ドキュメント化されていない、作業が標準化されていない、そもそもノウハウが蓄積されていない、最適化されていない・・・ということがよくあるからです。この場合はむしろアウトソーシングすることで作業が標準化される、ノウハウが蓄積されることにもつながります。
情報漏洩リスクが心配
セキュリティ強化や個人情報管理が叫ばれる中、自社の情報をアウトソーシング先がアクセスすることに対する不安・心配ということもあるかと思います。
こちらはアウトソーシングを検討するにあたって、外部にどこまで、どんな情報にアクセスさせる、させないかをきちんと区別しておくことが大切です。またアウトソーシング先を選定するにあたっては、プライバシーマークを取得している業者や、各種認証を持っているかをしっかり確認するようにしましょう。
委託するために整理する時間がない、人材がいない…
アウトソーシングを活用してみたいが、業務を整理したり仕様を作る時間、社内に要員もいなくて困っている・・・という叫びもよ聞きます。確かに、今対応している社員の方はすでに多くの業務を回しているため、そこに外部に出すための準備作業や仕様作成を加えるのはリソース的にも難しいかと思います。今の業務で手いっぱいというのがほとんどだからです。
漠然と仕様を整理しないといけない!と考えてしまうのではなく、まず何をすべきか、タスクだけでも実際にリストアップしてみることをおすすめします。また期限も2週間や1ヶ月で行うなど決めたうえで対応することで進みやすくなります。
余計にコストがかかってしまいそう…
確かにアウトソーシングすることで社内で対応するよりも費用がかさんでしまった・・・という経験のある方もいらっしゃるかと思います。例えば、業者の言いなりになって不要な作業までをアウトソーシングしてしまった、運用サービスの経験の少ない業者にアウトソーシングしてしまったというケースもあるかと思います。
また、アウトソーシング先の対応品質によるところも大きいですが、一番のポイントはITのプロセス改善や標準化を行ってコストを削減や生産性向上につなげていけるかということが大切になってきます。
今回は、情シス業務や社内IT、ヘルプデスクをアウトソーシングするにあたり、経営者や現場でよくある懸念や課題をまとめました。
次回は、これらの課題に対して具体的な対応策・解決策、どのようにアウトソーシング先を選定していけばよいのか、そしてメリットについても詳しくご説明します。お楽しみに!